●【みる誕生 鴻池朋子展】情報
これまで芸術が特権的に提示してきた視覚中心の価値観、文化と経済のグローバリズムの構造が、今、地球規模の転換期を迎えています。鴻池朋子は、アニメーション、絵画、絵本、彫刻などから手芸、おとぎ話、歌まで、あらゆる身近なメディアを用い、旅をして地形や季節と共に作品をつくり、その始まりから一貫して芸術の根源的な問い直しを続けてきました。
今回、鴻池は生まれたての体で世界と出会う驚きを「みる誕生」と名付けました。観客は眼だけではなく、手で看(み)る、鼻で診(み)る、耳で視(み)る、そして引力や呼吸で観(み)て、美術館という強固な建築と、疎遠になってしまった自然界とに新たな通路を開いていきます。新作の《どうぶつの糞》の模型、牛革ツギハギの《皮トンビ》などを、人間の痕跡である美術館のコレクションと共存させます。また、美術館と海を隔てた大島とをつなぐ、生命の波打ち際である「インタータイダル・ゾーン(潮間帯)」というトポスには、国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」の作品、若林奮の《緑の森の一角獣座 模型》、手芸《物語るテーブルランナー》などが波のように寄せ合います。生きていることは、みな、時も光も全て違う。観客も、もはや人間だけではないのです。
会 期:2022年7月16日(土曜日)~9月4日(日曜日)
休 館 日 :月曜日・7月19日(火曜日)
(ただし、7月18日(月曜日・祝日)および8月15日(月曜日)は開館)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入室は閉館30分前まで)
※金曜日・土曜日は午後7時閉館
●関連イベント【みる誕生会】情報
内 容:手で見て語る鑑賞会。
開催日時:(1)2022年7月17日(日曜日)午前10時30分~午後0時30分
ナビゲーター:鴻池朋子
(2)2022年8月21日(日曜日)、(3)2022年8月24日(水曜日)各午前10時30分~午後0時30分
ナビゲーター:当館学芸員
対 象:見えない人・見えにくい人4名、見える人3名
参 加 料 :無料(ただし、観覧券が必要です)
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳所持者(または障害者手帳アプリ「ミライロID」提示)は観覧無料)
申込方法:電話又はメールにて受け付けます。(電話:087-823-1711、メール:bijyutsu@city.takamatsu.lg.jp)
7月1日(金曜日)午前8時30分より受付開始
※展覧会の詳細、その他の関連イベントはこちら(高松市美術館ホームページ)